「テニロジ」ブログ

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このブログではテニスについて理論的に考察していきます。また、テニスで悩んでいる方々のヒントになるような情報を発信していきます。

ダブルスのポジション 基本①

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皆さんこんにちは。

 

今回はダブルスのポジションについてです。

 

ダブルスはサーブ、ネットプレーの技術が問われますが、同時に「ポジション」の取り方も問われます。

いくらサーブやボレーの能力が高くても、ポジションが良くないと、あるレベルから勝ちにくくなります。

 

ですので、ダブルスのポジションに焦点を当てて、今回はポジションの基本の考え方についてお話ししたいと思います。

 

ダブルスのポジション 基本①

ポジションの基本モデル

今回はダブルスの基本のポジションを説明するにあたって、簡素化したいのでサービスコート内でプレーするという前提を設けたいと思います。

ダブルスの多くは雁行陣でプレーされるとは思いますが、平行陣っぽくしたほうが説明がしやすいです。

今回はあくまで基本中の基本を理解するということでこのような前提にします。

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こんな感じです。

基本のポジションの考え方

まず、基本のポジションというのは攻撃と守備の両方を考えてポジションを取る必要があります。

攻撃ではボレーやスマッシュの決定率の上昇、守備では相手の攻撃に対して対処しやすくなるなど、基本を抑えるだけでもダブルスの質が向上します。

恐らく、この基本が出来ていないダブルスは「片方がデュースサイド、もう片方がアドサイド」というような認識だど思います。

つまり、コートを半分割で捉えたポジションの取り方をしているということです。

はっきり言って、この認識では不十分です。

なぜでしょうか?

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この図には番号が振られています。

これはコースと範囲を表しています。

基本的に自分が打つコース、もしくは相手が打つコースというのは、ストレート、センター、クロス(逆クロス)の3つのはずです。

ですので、コートを半分割にして「片方がデュースサイド、もう片方がアドサイド」というような認識では不十分なのです。

実際にそのような認識を持ってダブルスをしているペアは、やけにセンターを抜かれたりストレートを抜かれたりするケースが多いです。

「ザル」ってやつです。

適切な基本のポジションというのは、相手の立ち位置や打つコースにあわせて3つのエリアの内、2つを重点的に守ることです。

それは次の図を使って説明します。

相手が①か③のエリアから打つ場合

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ダメな例⑴

 まず、ダメな例です。

これはプレイヤーCが③の位置から①を打つ場面です。プレイヤーCから見ると①はストレートになります。

この場合、本来プレイヤーBはストレートケアをするのが適切ですが、それが出来ていません。

もしこれがダブルスコートでプレイヤーBが前衛であれば、ストレートを抜かれる可能性が高くなります。

あえてストレートを開けて誘う方法もありますが、ここでは基本のポジションですので、素直にストレートケアをするのが適切です。

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適切な例

この場合の適切なポジションの取り方は上記で述べたストレートケアに加えてセンターケアをすることです。

 プレイヤーBがストレートケアをするので①を、プレイヤーAがセンターケアをするので②を重点的に守るような形でポジションを取ります。

なおプレイヤーAに関しては、クロスにボールが来ても対応しやすいように、完全に②のエリアにいるよりは少し③のエリア寄りのほうが良いでしょう。

この場合ですと、プレイヤーAが③のエリアにいることはあまり合理的ではありません。

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仮にプレイヤーCがクロスに打った場合、黒のエリアにボールが来る割合は少ないと考えられます。

なぜなら、黒のエリアに打つためにはかなり角度をつける必要があり、サイドアウトしやすく、難易度が高くなるからです。

従って、あまりボールが来ないエリアにいるのは合理的ではないということが言えます。

黒いエリアを除外して考えると、残りの③のエリアと②のエリアとでは明らかに②のエリアの方が守る面積が多いので、プレイヤーAは②のエリアを重点的に守った方が良いのです。

とはいえ、黒いエリアにボールが来ることもあります。

もし、そこに打たれて決められてしまっても、それは「相手がナイスショットだった」ので仕方ないと割り切ることが出来ます。

それよりもただ突っ立ってるのにストレートを抜かれた、センターケアが甘いことが問題なので、そこを出来るだけ最小限に抑える必要があります。

 

今度はプレイヤーAがストレートに打ち、それをプレイヤーDが①の位置から逆クロスに打つ場面です。

当然、プレイヤーBが返球することになるので①のエリアに行きます。

それと同時にプレイヤーAもセンターに寄ります。

基本的にはこのような形で、①か③のエリアから相手が打つ時、もしくは見方が①か③のエリアで打つ時はストレートとセンターケアを意識してください。

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相手がセンターから打つ場合

では相手が②のエリアから打つ時はどうでしょうか。

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これはプレイヤーCが②のエリアから打つ場面です。この時はプレイヤーA、Bともに少しセンターに寄るのが適切です。

なぜなら、センターから打つ場合、相手(プレイヤーC)からすると角度が付きにくい場所であるので、それほど①と③のエリアを重点的に守る必要がないからです。

黒いエリアに打つのは難易度が高く、相手にとってはリスキーであるため、それよりもボールが来やすい②のエリアを守った方が良いのです。

ただし、お互いにセンターに近づき過ぎるのも良くないので、それぞれ①と②、②と③のエリアの間ぐらいにポジションを取るのが良いと思います。

まとめ

長々と説明してきましたが、ここまでをまとめると、

  • 基本のポジションは相手の立ち位置や打ってきたコースに合わせて、二つのエリアを重点的に守る形で取ること
  •  2つのエリアを重点的に守る時、相手にとって難易度が高い範囲にはボールが頻繁に来ないと仮定し、そこよりもボールが頻繁に来る範囲にポジションを取った方が合理的
  • ①か③のエリアから相手が打つ時、もしくは見方が①か③のエリアで打つ時はストレートとセンターケアを意識
  • ②のエリアから相手が打つ時、お互いにそれぞれ①と②、②と③のエリアの間ぐらいにポジションを取り、センターケアを意識
  • 相手が難しいコースに打ってきて決められた時は、「相手がナイスショットだった」と割り切ること

となります。

 

ダブルスのポジションは最低限これが出来ないとだめです。

この基本のポジションが出来れば実際のダブルスコートでプレーする際に平行陣でも雁行陣でも攻守一体の陣形が取れるはずです。

また、今回採用したサービスコート内での基本モデルは、実際に4人以上で3エリアを設けて行うことが出来ます。

エリアの区画はだいたいで良いですが、基本のポジションの練習に使えると思います。私も高校時代に練習したこともあります。

そういう意図もあってこのモデルを使って説明しました。

今後はダブルスの戦術やポジションを中心に取り扱っていきます。

次回は今回の基本モデルを雁行陣に当てはめた場合を考えていきます。

とはいえ、基本は一緒です(笑)

ただ雁行陣になったというだけです。

ぜひお楽しみにしていただけたらなと思います。

 

それにしても文字だけでダブルスのポジションを説明するのは結構たいへんでした、、、

皆さんに伝わっていれば良いのですが、、、

一応、余力があればスライドに音声をつけて説明している動画も作って、必要ならこの記事に載せようと思います。

 

この記事が参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。