テニスにおける4スタンス理論①
今回は最近のスポーツ理論として挙げられる「4スタンス理論」がテニスとどう関係しているのかについての考察をしていきたいと思います。
「4スタンス理論」とは
4スタンス理論は、
「人間には先天的に決まった身体特性があり、それを4種類に分け解明しようとする理論」
のことです。
この4種類のスタンスは、立つ、座る、歩くなどの日常の単純な動作も、タイプによって異なります。
4タイプの分類
4種類のタイプは、重心をどこに置くかで決まります。
自分の足で考えたとき、重心が「つま先」か「かかと」かで2タイプに分類できます。重心がつま先の場合は「Aタイプ」、重心がかかとの場合は「Bタイプ」になります。
さらに重心が「内側」か「外側」かで分類できます。重心が内側の場合は「1タイプ」、重心が外側の場合は「2タイプ」になります。
以上のことを踏まえて4タイプに分けると、
・重心が「つま先・内側」・・・A1タイプ
・重心が「つま先・外側」・・・A2タイプ
・重心が「かかと・内側」・・・B1タイプ
・重心が「かかと・外側」・・・B2タイプ
になります。
クロスタイプとパラレルタイプ
先ほどの4タイプはクロスタイプとパラレルタイプに分類することができます。
クロスタイプは、体幹である両肩と股関節を対角線上に結んで連動させます。
パラレルタイプは、体幹である両肩と股関節を左右それぞれ平行に結んで連動させます。
A1、B2タイプはクロスタイプ、A2、B1タイプはパラレルタイプに分類することができます。
5ポイント理論
もう一つ重要なのが「5ポイント理論」と呼ばれているものです。実は4スタンス理論のベースは5ポイント理論とされています。
5ポイント理論とは、
「体の軸の形成に大きく関わり、動作の基点となる5か所の関節がある」
というものです。
5か所の関節 サブ(軸の補助)
・首の付け根(P1) 両肩(P1`)
・みぞおち(P2) 両肘(P2`)
・股関節(P3) 両手首(P3`)
・膝(P4)
・足底(P5)
これらの関節のうち3か所をそろえることで動作に安定性をもたらします。
その3か所を「軸ポイント」、残り2か所を「可変ポイント」と言います。
しかし、この軸ポイント、可変ポイントは万人共通ではありません。この軸にはいくつか組み合わせがあり、それを種類分けしたのが「4スタンス理論」となるわけです。
軸の組み合わせは4スタンス理論で分類すると
となります。
まとめ
以上のことをまとめると、
このようになります。
軸ポイント、可変ポイントは、Aタイプ、Bタイプでは同じですか、重心や連動タイプがそれぞれ違うので結果的に4タイプは異なる動きをすることになります。
ここまで4スタンス理論についてのざっくりした概念をお話ししました。
ここからは私個人の見解です。
4スタンス理論はテニスにも応用して考察や動作の分析することが可能です。ただし、全てが4スタンス理論に当てはまるわけではありません。例えばフォームは個人差があり、身長、柔軟性、筋肉量などで決まります。
4スタンス理論は比較的最近できた理論なので、Aタイプの方がBタイプの動きをしているということもあります。
打ち方でタイプを判断するのは難しいです。
4タイプのチェック方法もありますが、ここでは割愛します。機会があればその記事も書きたいと思います。
正直なことを言うと、4スタンス理論はこういった動作の違いの考察手段や動きの違いを理論として説明することには使えますが、実際に指導で4スタンス理論を使うのには向いていないです。
野球やゴルフでは応用されているみたいですが、オープンスキル要素が多いテニスでの応用は難しいです。
この記事を書いててこういうことを言うのは矛盾しているのですが、、、
私自身、4スタンス理論をどうにかしてテニスに応用できないかを考え、4スタンスの勉強をした結果、
「オープンスキルの要素が多いテニスに4スタンス理論の応用は難しい」
となりました。
4スタンス理論を真似するよりはしっかりテニスの基本を身に着けたほうが良いと思います。
次回、「テニスにおける4スタンス理論②」では、プロ選手がどのタイプに分類することができるのがを考えていきます。続きです。
また、この記事では書いていないことがあれば、補足として追加していきたいと思います。
また「イップス体験記」というブログをやっています。
こちらは私がイップスになった時の体験を共有し、イップスを知らない方に「イップスはどういうものなのか」を知っていただき、また現在イップスで苦しんでいる方の励ましになるような内容となっています。
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