要注意⁉「腰を使って打つ」が間違っている理由
皆さんこんにちは。
今回は「腰を使って打つ」が間違っている理由についてです。
よく巷では「腰を使いなさい」や「腰を捻りなさい」などと言われています。今までそう教わった方も多いのではないでしょうか。
しかし、「腰を使って打つ」というのは実は間違っていて、場合によってはケガをしてしまう可能性があります。
この記事では、なぜ「腰を使って打つ」ことが間違っているのかを、「脊椎における回旋の可動域」の観点から検討していきます。
※このように、このブログではテニスについて理論的に考察していきます。
「腰を使って打つ」が間違っている理由
「腰を使って打つ」の意味合い
まず、「腰を使って打つ」とはどういった意味合いで使われるのか説明します。テニスのストロークというのは、回転運動によって行われています。「腰を使って打つ」とはこの回転運動の動きを教えるときに、よく使われます。
脊椎における回旋の可動域
次に、脊椎における可動域を説明します。
これは、ヒトの脊椎を正面から見た時の図です。
ヒトの脊椎は頸椎、胸椎、腰椎に分かれています。頸椎は首、胸椎は肩からみぞおちにかけて、腰椎は腰に位置します。
ここで着目するところは回旋の可動域です。なぜならテニスのストロークの回転運動と密接な関係があるからです。各部位の可動域を見てみると、頸椎が約90度、胸椎は約40度、腰椎が約5度になっていることが分かります。
「腰を使って打つ」は不可能に近い
「腰を使って打つ」というのは、約5度しか回旋しない腰椎を無理に回旋させていることになります。無理に回旋させようとするとケガに繋がります。
実際、腰を使おうと意識しても腰椎が5度にしか回旋しないので、自分では動かしているつもりでもほとんど動いていません。
ですので、「腰を使って打つ」ことは不可能に近いです。
正しいのは胸椎の回旋運動
腰椎より可動域が広いのは、胸椎、頸椎です。しかし、頸椎はストロークの回転運動のときにはそれほど回旋していないのて、上半身の回旋は胸椎がメインに動いていることになります。
本来、テニスでの上半身の回旋運動は意識しなくても自然に胸椎が回旋します。
ですので、胸椎を回旋させようと意識する必要もありません。
もしコーチなどでこの回転運動を生徒たちに教える場合は、「肩の入れ替えで打つ」と教えることをお勧めします。
まとめ
今回の記事をまとめると、
・ストロークの回転運動と脊椎の回旋は密接な関係
・腰椎の回旋は約5度しかない
・「腰を使って打つ」は不可能に近い
・正しいのは胸椎の回旋運動
・教えるなら「肩の入れ替えで打つ」
となりました。
最後まで読んでいただきありがとうごさいました。