「テニロジ」ブログ

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このブログではテニスについて理論的に考察していきます。また、テニスで悩んでいる方々のヒントになるような情報を発信していきます。

【サーブ】トロフィーポーズのポイント6つ

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皆さんこんにちは。

 

今回はサーブについてです。

 

サーブを打つ際にプロの選手を始め、サーブが得意な選手は「トロフィーポーズ」という動作をしています。

 

「トロフィーポーズ」はサーブのスイングを決める重要な役割があります。

トロフィーポーズが出来ないと、サーブが不安定になりやすいので、しっかり身に着けたいものです。

 

この記事では、トロフィーポーズのポイントについて考えていきます。

なお、スイング中の動きの説明については今回は省きます。トロフィーポーズに限定してお話しするためです。予めご了承ください。

※スイング中の記事は追々追加していきたいと思います。

 

 

そもそもトロフィーポーズとは

知らない方のために簡単に説明します。

トロフィーポーズとは、トスを上げてからスイング開始までの姿勢です。

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フェデラー選手のトロフィーポーズ

この形が トロフィーポーズです。

名前の由来はトロフィーの一番上の像がよくこのようなポーズを取っているので、それにちなんでトロフィーポーズという名前になったそうです。

 

このトロフィーポーズの形をしっかり覚えないと、腕だけのスイングになったり、ボールにパワーを伝えることが出来ないといった状態になります。

 

トロフィーポーズのポイント

トロフィーポーズのポイントは全部で6つあります。

とりあえずこの6つを押さえておけば大丈夫かと思います。

①肘の高さ

肘の高さは結構色んなところで教えられているので、知っている方も多いと思いますが、ここではもっと厳密に説明していきます。

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先ほどの画像に関節を結んだ線を付けてみました。


注目して欲しい箇所は右肘と右肩と首の付け根が一直線になっているところです。

この一直線上のラインに肘があるかどうかがポイントになります。

このラインより低く肘をセットすると、インパクト時のミート率が下がり、効率よく肩や肘が動かないのでボールに力が伝わらないです。肘を低くセットしている方は結構多くいます。トロフィーポーズを確認するときはまず肘を見ることをお勧めします。

反対にこのラインより高く肘をセットしてしまうと腕が伸びた状態になり、ミート率は上がるかもしれませんが、これも効率よく肩や肘が使えないので、打つ前からこの状態を作るのはお勧めしません。

あくまでも右肘と右肩と首の付け根が一直線になっていることがポイントです。

誤解として多いのが、この一直線上のラインに肘があるのに右肩より少し下がっているように見えて「肘が下がっている」と指導するパターンです。

この誤解の理由は、上半身の側屈(後ほど説明)によるものです。上半身の側屈によって少し右側に上半身が傾き、一直線上のラインも傾きます。そうすると肘が下がっているように見えるので誤解が生じるのです。

 

フェデラー選手も写真だけで見ると、右肩より少し下に右肘があるように見えますが、しっかり右肘と右肩と首の付け根が一直線になっていることが分かります。

 

ですので、肘が下がっているかどうかの見極めは、右肘が、右肘、右肩、首の付け根の一直線上のラインより下がっているかというのが1つのポイントです。

※左利きの場合は逆になります。

 

②グリップの持ち方

グリップの持ち方です。サーブの基本のグリップは「コンチネンタルグリップ」です。

いわゆる包丁持ちです。

これはほとんどの方がこのグリップでサーブを打っているので大丈夫だと思いますが、軟式上がりの方は最初の方では厚いグリップでサーブを打ってしまうケースがありますので、当てはまる方は直した方が良いです。

コンチネンタルグリップで持つ理由ですが、「前腕の動き」を使いやすいようにするためです。

以前の記事で、前腕の動きについてお話ししました。

前腕の動き、すなわちプロネーションと呼ばれる動きは「勝手に起こるもの」なので意識して行う必要はありません。

「前腕の動き」はスイング中に勝手に行われるもので、コンチネンタルグリップだと、この動きが的確に行われやすいのです。

また、インパクト時は手首の回外から回内の動き(プロネーション)が発生します。その時にコンチネンタルグリップだと、インパクト時の面が安定します。

※サーブの前腕の動き、手首の回外、回内の動きは追々記事にします。 

 

※前腕の動きについては『不調の原因は「あること」を意識している可能性が高い!?』という記事で詳しくお話ししていますのでこちらも参考にしてください。

 

rogeroikawa.hatenablog.com

 

③ラケットと手首の角度

これははっきりとは言えませんが、大体90度~140度ぐらいの間です。

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トロフィーポーズで作るこの角度は、インパクト時のラケットと手首の角度と一緒です。ですので、トロフィーポーズの時にこの角度を作っておく必要があります。

この角度だど、②で説明した手首の回外、回内がスムーズに行われます。

最初はここの角度を100度ぐらいにしておくと間違いないと思います。

④ラケット面の向き

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別の角度から撮影されたフェデラー選手の画像を使って説明します。

ラケット面はコートの右側を向くことがポイントです。これも、前腕の動きが行われやすいようにするためです。

よくラケット面が上を向いている方がいますが、その場合どうしても腕だけのスイングになりがちです。

そしてラケット面が上を向いている方のほとんどが肘も下がっています。その状態からのスイングは力が入りませんし、ケガのリスクもあります。

また、ラケット面が上を向いてしまう原因はラケットを担ぐイメージでトロフィーポーズをしている可能性があります。この「担ぐ」というイメージはあまりよろしくありません。

サーブは利き腕の反射の動きを使いたいので、その理由でラケット面を右に向けたほうが良いです。

⑤上半身の側屈

この側屈とはトロフィーポーズの時に上半身をやや右側に倒すことを指します。

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フェデラー選手もやや右に側屈していることが分かります。

この動作はサーブの威力を増すために行います。インパクト時はこの側屈を左側に入れ替わる力を利用することによって威力が増すのです。

この側屈は左側の骨盤を前に出すイメージで行うと良いです。こうすることでより力の伝わり方が強くなります。

①で説明しましたが、肘が下がっているように見える理由も、この上半身の側屈を使っているからです。

⑥膝の屈伸

膝の屈伸も1つのポイントです。サーブは基本的に高い打点で打つので上に向かう力も必要になります。そうすると膝の屈伸運動が自然に使われることになります。

「膝を曲げなさい」とよく言われるので、恐らくほとんどの方が出来てはいると思いますが、たまに必要以上に曲げている方がいます。

必要以上に曲げる方は、意識してジャンプしようとしている傾向があります。そういう方は、高い打点で打たなければいけないと思い、とにかくジャンプしようと考えています。考え方は悪くないのですが、プロ選手はジャンプしようと意識しているわけではありません。

必要以上に膝を曲げることは、膝にも負担がかかっているので、あくまでも負担がかからない程度に曲げるのが良いと思います。

またジャンプの原理についてですが、説明すると長くなるのでまた別の機会で記事にしたいと思います。

まとめ

今回はトロフィーポーズにフォーカスを当ててみました。

やはりパワフルなサーブを打つ選手はトロフィーポーズの形がしっかりできています。

一度動画や写真を撮って、自分のトロフィーポーズの形を確認してみてはいかがでしょうか。

 

最後まで読んでいただきありがとうごさいました。