【フォアハンド】非利き手の役割
皆さんこんにちは。
今回は「フォアハンド」についてです。
フォアハンドの1つの要素として「非利き手の役割の重要性」というものがあります。
非利き手とはフォアハンドにおいて、右利きなら左手、左利きなら右手になります。
※この記事では右利きの方、左利きの方、両方に向けて発信するので以下「非利き手」という表現をします。
非利き手は、スイングとは直接関係のない部分ですが、なぜ非利き手の役割というものが存在し、重要視されているのでしょうか。
この記事では非利き手の役割について説明していきます。
非利き手の役割
フォアハンドは利き手側で打つショットで、非利き手は使わないのではと疑問に思う方も少なくないでしょう。
なぜ非利き手の使い方が重要なのでしょうか。
その答えは『バランス』です。
現代のテニスは回転運動が主流のストロークになっています。回転運動は主に胸椎を基点とした上体の捻り、捻り戻しです。
回転運動をスムーズに行うためには「軸」の形成が必要です。軸は人によって少し違います。これは4スタンス理論が絡んでくるので今回は省略しますが、ここでは回転運動には軸の形成が必要だということを理解してください。
形成した軸を生かし回転運動を行うわけなんですが、その時に「バランス」を保つことが大きなポイントです。
このバランスを保つためには非利き手が重要になってくるというわけです。
スイング中における非利き手の役割
ではスイング中における非利き手の役割を考えます。
上記でもお伝えした通り回転運動は軸を形成し、「バランス」を保つことが必要です。
非利き手は、バランスを保つために必要不可欠なのです。
バランスを保つための具体的な非利き手の役割がいくつかあります。
の3つに分けることが出来ます。
3つとも前提としては回転運動のバランスを保つことですが、場面ごとにその役割が違うのでそれを解説したいと思います。
では順番に見ていきます。
①テークバック開始~完了までの間
まずはテークバック開始~完了までの非利き手の役割についてです。
この時の非利き手の役割は、上体の捻りをスムーズに行うことです。
以前の記事で、フォアハンドのテークバックについて書きましたが、テイクバックは「ラケットを引く」イメージではなく、「上体の捻り」、つまり「ボディーターン」が先行になると説明しました。(別名ユニットターンとも言う)
詳しくはこちらを参考にしてほしいのですが、テイクバックはスイングの準備段階なので素早い動作が求められます。その理由からボディーターンを先行していきます。
そこでボディーターンをスムーズに行うために、非利き手の出番です。
構えの時の非利き手の状態は、ラケットのスロート部分、またはグリップに添えている状態だと思います。そこからテイクバックに移行する時に、ボディーターンを始めます。
この時の非利き手の状態は構えの時と同じようにラケットのスロート部分、またはグリップに添えます。こうすることによって一気にボディーターンを行うことが出来ます。
その後、ラケットから非利き手を放し、テイクバック完了の時は非利き手を横に伸ばし、上体の捻りをキープします。
このように非利き手を生かしてボディーターンを行い、テイクバック完了までの動きを素早くすることで、時間に余裕が出来て「安定」につながります。
これがテークバック開始~完了までの非利き手の役割です。
②フォワードスイング~インパクト直前までの間
この時の非利き手の役割は①の時に捻った上体を、インパクトに向けて捻り戻す時の回転運動のバランスを保つことです。
動きとしては、非利き手を引くような動作です。この時によく非利き手側が疎かになる方が多いです。ここで疎かになると③に移行できません。
それでは軸のバランスを損ない、スムーズに回転運動が行えないことになります。
スムーズに回転運動が行われないと回転運動に頼らない打ち方、いわゆる「手打ち」になります。「手打ち」は筋肉に頼っているので不安定になり、場合によってはケガをします。
なので非利き手を使い回転運動のバランスを保ち、なおかつ捻り戻しの動作をスムーズに行えるようにする必要があります。
非利き手を引く動作というのは、テイクバック完了時までに捻った上体を、インパクトに向けて捻り戻す際にスムーズに行うため動作であると言えます。
これがフォアードスイング~インパクト直前までの非利き手の役割です。
③インパクト~フォロースルー完了までの間
最後にインパクト~フォロースルー完了までの非利き手の役割についてです。
この時の非利き手の役割は「ストッパー」です。
ここで言うストッパーとは、「身体の開きを抑制すること」です。
※「身体が開く」という状態は回転運動の結果、身体が回りすぎてボールに力が伝わりにくい状態のことを指します。
インパクトは、②のフォアードスイング~インパクト直前までの回転運動の力をボールに伝えなければなりません。そのためには回転運動をストップさせるようにします。回転運動をストップさせるようにすると体幹部の回旋は抑制されますが、ラケットを持っている腕は、慣性の力が働き、ある程度脱力が出来ていれば自然に前に行きます。そうすることによって、力のベクトルをボールに集中させることが出来ます。
反対に身体が回りすぎて身体が開いた状態だと、力のベクトルが分散してインパクトの時に力が伝わりにくいです。
それを防止するために、非利き手を折りたたむような動作を行い体幹部の回旋を抑制させ、身体の開きを抑制することが必要になります。
これがインパクト~フォロースルー完了までの
まとめ
今回は非利き手の役割についてでしたがいかがだったでしょうか。
非利き手の役割を誤った教えとして右利きの場合「左手でボールをキャッチするように」「左手を伸ばして打点の間合いを取る」などがあります。
打点との間合いの感覚をつかむという点ではありなのかもしれませんが、「バランスを保つ」という本来の概念からは離れています。
もう一度簡単におさらいすると、利き手は「バランスを保つ」という大きな役割があり、場面ごとにバランスを保つための働き掛けが違ってきます。
ですので、非利き手の役割が打点との間合いの感覚をつかむためと思っていた方は、本質は違うということをこの記事で理解していただけたら幸いです。
質問等がございましたらコメントの方にお願いします。
最後まで読んでいただきありがとうございました。